数学や物理でよく使用されるラジアン(rad)ですがエクセルでも求めることができます。
ラジアンは弧度法の角度の単位ですが、学生時代つまづいた方もおられるのでは無いでしょうか。
しかし、エクセルのRADIANS関数を使えばラジアン(rad)を簡単に求めることができます。
RADIANS関数を身につければsin・cos・tan関数などにも応用できるので、とても便利です。
対称となる弧度法から度数法への変換方法については下記の記事をご参照ください。
【DEGREES関数】ラジアン[rad]から度[°]に変換!弧度法から度数法へ ► 独学エクセル塾 (dokugakuexcel.com)
さわりとして、ラジアンについてもまとめてますので是非参考にしてみてください。
それでは見ていきましょう。
⬛︎こんなことができるようになる!
・度数法から弧度法へ変換ができる。
⬛︎関数の仕組み
=RADIANS(ラジアンに変換したい度数法の数値(°))
⬛︎弧度法のラジアン(rad)とは!?
まずはラジアンについて説明したいと思います。
ラジアンは平面角の単位です。
よく目にする度数法の単位は「°」ですよね。
対する弧度法の単位が「rad(ラジアン)」となります。
馴染みがある度数法をわざわざ弧度法に変えるのには下記の訳があります。
・扇形の弧の長さ・面積が求めやすい
・微分積分の計算が簡潔になる
では、図を踏まえて紹介したいと思います。
1radは角度に直すと「57.2958…°」になります。
1radは円の半径rと同じ長さの円弧を繋ぎ合わせた際の中心角が1radということです。
公式に直すとこちらになります。
1rad=360° × r/2πr
=180°/π
=57.29….°
ややこしいですが度数法と弧度法の関係式はこのようになります。
θ[rad]=θ[°]×180/π
θ°=θ[rad]×π/180
それを主要角度の30°.45°.60°.90°.120°.135°150°.180°で表すと下の表になります。
角度 [ ° ] | ラジアン [ rad ] |
---|---|
30° | π/6 |
45° | π/4 |
60° | π/3 |
90° | π/2 |
120° | 2π/3 |
135° | 3π/4 |
150° | 5π/6 |
180° | π |
ではRADIANS関数を使用して度数法から弧度法に変換する方法を見ていきましょう。
⬛︎関数を使用して弧度法に変換する
再度関数の仕組みを確認してみましょう。
=RADIANS(ラジアンに変換したい度数法の数値(°))
引数は1つのみで、カッコ内に変換したい度数法の数値を入力するだけです。
見本で下図のシートを用意しました。
仕様としてはB3に入力した度数法をRADIANS関数を使用してD3に弧度法で出力します。
では数式を見てみましょう。
=RADIANS(B3)
これでB3の数値を参照して弧度法に変換してくれます。
今回は180°の度数法を弧度法に変換してみましょう。
結果はこのようになります。
結果は「3.14…」となりました。
先ほどの表を確認すると180°は「π[rad]」。つまり「3.14…」なのでうまく機能してくれています。
さらにB3の数値を30°にしてみましょう。
結果はこのようになります。
結果は「0.52….」となりました。
30°は「π/6」になるので計算すると「0.52….」となります。
ちなみに今回は引数を別のセルを参照してラジアンを求めましたが
「=RADIANS(180)」のように直接、数値を入力しても計算してくれます。
⬛︎RADIANS関数を活用して弧の長さ・面積を算出する
では補足でRADIANS関数を活用した例を見てみましょう。
ラジアンを含む公式の「扇形の弧の長さ」「扇形の面積」を紹介します。
公式は下記の通りです。
弧の長さl=rθ
扇形の面積 S=1/2r^2θ
B3に半径、C3に度数法の中心角が入力されています。
この数値を元に弧の長さと面積を求めてみましょう。
数式に当てはめるとこのようになります。
Q1.弧の長さ=B3*RADIANS(C3)
Q2.面積=1/2*B3^2*RADIANS(C3)
θはラジアンなのでRADIANS関数で度数法から弧度法に変換しています。
結果はこのようになります。
半径12で中心角が30°の時の「弧の長さは6.28」「面積は37.70」ということがわかりました。
もちろん、半径と中心角の数値を打ち替えると弧の長さ・面積も再計算してくれます。
■RADIANS関数の応用方法
・三角関数を使用する
SIN関数を応用した例を見ていきましょう。
下図の見本をご覧ください。
B3にBの角度θ°の数値、D3にABの長さが入力されてあります。
今回はACの長さを見本で求めてみましょう。
では三角比をご覧ください。
sinθ=高さ/斜辺=AC /AB
今回はACを求めるので公式はこのように変化します。
AC=sinθ*AB
では数式に当てはめていきましょう。
角度θ°は度数法で計算できないのでRADIANS関数で弧度法にします。
なのでSIN(RADIANS(B3))となります。
ABの長さはD3に入力されてあるのでそのまま参照してD3で大丈夫です。
結果このようになります。
=SIN(RADIANS(B3))*D3
それでは入力してみましょう。
結果はこのようになりました。
RADIANS関数と三角関数を応用して、直角三角形の1辺の長さを求めることができました。
今回はSIN関数でしたが、COS・TAN関数でも同様に使用可能です。
⬛︎よくあるエラーと対処法
ここではRADIANS関数を使用する中で発生するエラーと対処法について紹介します。
・#VALUE!のエラーになる
こちらは参照したセルの内容・引数に入力した値が文字になっている可能性があります。
説明で使用した見本を見てみましょう。
通常であれば度数法から弧度法に変換してくれています。
では参照元のB3の値を文字にしてみましょう。
結果はこのようになります。
結果として#VALUE!のエラーが発生してしまいました。
エラーが発生したら正確に数値を入力しているか確認してみてください。
⬛︎公式の説明
わかりやすいように実際の内容とは異なった語句・文字で説明しています。
公式の内容をご覧になりたい方は下記リンクをご参照ください。
⬛︎まとめ
いかがだったでしょうか。
数学で使用するラジアン(rad)ですが、エクセルの関数にあるのは便利ですよね。
ここからsin・cos・tan関数と発展できるので身につければ可能性は広がります。
学生の方は答え合わせなどにシートを作成しておけば、効率アップできますね。
それでは次回の記事でお会いしましょう。