この関数はあまり知られていないイメージがあります。
よく比べられるのはAVERAGE関数ですね。
今回のMEDIAN関数はAVERAGEの平均値でなく中央値を求める関数になっています。
AVERAGE関数との差別化も合わせて説明します。
それでは見ていきましょう。
■関数の仕組み
■ AVERAGEとMEDIANの違い
今回は下記の点数表を作成してみました。
まず、AVERAGE関数とMEDIAN関数の違いについてA~Jさんの点数を参考に説明します。
ここですでに算出しているのですが平均値は58.8となってます。
しかし中央値は88となってますね。
平均値はすべての数値を足して数値の数を割ったものです。
しかし中央値はデータの数の中間の数値が中央値になります。
上記のグラフで説明すると10個の点数があってその中間の値は5番目と6番目の
92と84です。その中間をとって88となってます。
なので9個のデータであれば5番目のデータが中央値になります。
違いが分かったうえで関数の使用方法を見ていきましょう。
■ 選択した範囲の中央の数値を抜き取る
では中央値を関数を使って求めてみましょう。
関数は以下の通りです。
=MEDIAN(中央値を求めたい範囲)
今回、中央値を求めたいのは得点になるので範囲はC3:C12になります。
つまり今回のシートを参照にすると下記のようになります。
=MEDIAN(C3:C12)
では実際に打ち込んでみましょう。
こちらを実行するとこのようになります。
うまくいきました。
5番目と6番目の数値は92と84なので中間の88で合っています。
あまり使う機会は少ないかもしれませんが、知っておいて損はありませんね。
■よくあるエラーと対処法
ではMEDIAN関数を使用して発生するエラーとそれに対する対処法を説明します。
・数値が文字列になっている
下記の式をご覧ください
先ほどまで説明で使用していたシートですね。
結果は「 88」になるはずです。しかし結果は下図のようになりました。
「 88 」ではなく、「6.5」になっています。
では「Dさん」「 Fさん 」 「Gさん」「 Hさん 」 以外に注目してください。
左上に緑の印がついています。
本来数値は「標準」や「数値」となっています。
下図の通り 「Dさん」 は「標準」になってますね。
しかし左上に緑の印がついてある 「Aさん」 はというと…
書式が「文字列」になっています。
つまり 「Dさん」「 Fさん 」 「Gさん」「 Hさん 」 以外は
数値として認識されておらず「文字」として認識しているため無視されている
計算になっています。
つまり現状は「2・7・6・8」の中央値を算出していることになります。
解決策は以下の通りです。
対処法:表示を標準・数値にもどし、再度入力すれば解消されます。
・掛け算をする範囲にエラーが含まれている
では次のエラーを見てみましょう。
「Aさん」から「Jさん」までの中央値を求める式は先ほどと同様です。
しかし数値の中にエラーが存在しています。
結果はこのようになります。
エラーに引っ張られて平均値の結果もエラーになってしまいました。
MEDIAN関数は空白や文字列はスルー出来ますが、エラーはスルー出来ません。
対策を下記にまとめました。
対策①:参照のエラーを解消する
対策②:AGGREGATE関数を使用し、エラーをスルーして平均値を求める。
対策①は至ってシンプルです。
対策②はエラーが含まれているが、中央値を求めたい場合は
AGGREGATE関数を使用するとエラーもスルーすることができます。
AGGREGATE関数関数についてはこちら☟
【AGGREGATE関数】エクセルで空白やエラーを無視して合計・平均・最大値・最小値を求める。 ► 独学エクセル塾 (dokugakuexcel.com)
ぜひ活用してみてください。
■公式の説明
わかりやすいように説明したため公式と使用する語句が異なりますが
マイクロソフト公式の説明については下記のリンクを参照してください。☟
MEDIAN 関数 – Office サポート (microsoft.com)
■応用問題
ではMEDIAN関数の応用問題を解いてみましょう
下図のシートをご覧ください。
数値は変わりませんが、参照したい範囲が離れています。
では数値1から数値10までの中央値を求める式を、セル「H3」に打ち込んでみましょう。
答え:=MEDIAN(C2:C6,F2:F6)
数値1から5は「 C2:C6 」、 数値1から5は「 F2:F6 」になってます。
参照範囲を分けて入力する際は「,」で区切ることにより
再度、別の範囲を選択することが可能になります。
ちなみに別のシートを参照することも可能です。
別のシートを参照する場合は
「=MEDIAN(シート名!中央値を求めたい範囲)」のように打ち込みます。
シート名と 中央値を求めたい範囲 の間に「!」を打ち込めばOKです。
例で説明すると
「=PRODUCT(Sheet3!A1:A5)」はシート「Sheet3」の「A1からA5」の
中央値を求めるという意味の数式になります。
■まとめ
いかがだったでしょうか。
AVERAGE関数とは一味異なる関数ですよね。
データの分析などに使う機会があれば、ぜひ参考にしてみてください。
では次回の記事でお会いしましょう!